
私たちにとって身近な食材であるニンニク。
ラーメンに入れたり、香辛料として、中華料理、韓国料理、フランス料理、イタリア料理、スペイン料理などなど、様々な料理で味の引き締め役として活躍してくれたり、私たちの食生活に、ニンニクはすっかり入り込んでいます。
「○○のスタミナ炒め」などと名付けられた料理はそれらのほぼ全てがニンニクを加えていためたものであると言えます。それほどまでに、スタミナとニンニクは結びつけられててイメージされているものです。
さてそんなニンニクといえば、古くからスタミナ源、滋養強壮・精力の源としてもおなじみの食材ですよね。
しかしながら、どうでしょうか?じゃあ、ニンニクには「どのような成分が含まれているのか」、そしてその成分が「どのような効果を発揮するのか」、
実際のところ「精力剤としての効果はどうなのか」となると、いま1つ明確で詳しい知識はさほど多く持っていない、という方も少なくはないのではないでしょうか。
そこで今回は、精力剤としてのニンニクについて、その精力回復成分や効果、副作用などについてわかりやすくまとめました。
ニンニクとは?

ニンニクの原産地は中央アジアと推定されていますが、すでに紀元前3200年頃には古代エジプトなどで栽培・利用されていたことが分かっています。現存する最古の医学書『エーベルス・パピルス』(古代エジプトの医学書)には薬としても記載されています。
中国には紀元前140年頃に伝わったとされ、日本には中国~朝鮮半島を経て8世紀頃には伝わっていたと見られています。
現在ニンニクの生産量は、中国が世界のニンニク生産量の8割を占めています。日本国内での流通においては、国産ニンニクの80%を青森県産が占めており、市町村別では十和田市が最も多く生産しています。
青森県に次いで、出荷量が多いのは香川県です。そんな中、青森県田子町は早くから同町で出荷されるニンニクのブランド化に取組んだことで知られており、田子町のニンニクはそれなりのポジションを築いていると言えるでしょう。
実はニンニクの本場中国内でも、青森県産ニンニクはブランド化されているようです。
さて、ニンニクと言えば、その強壮作用、精力増強作用が知られていますが、禅宗で「不許葷酒入山門」とされたように、その強壮作用が煩悩(淫欲)を増長するとされて仏教の僧侶の間ではニラ、ネギ等とともに五辛(仏教で食べることを禁じられていた5つの辛みのある野菜)の1つとして食べることが禁じられてきました。
ニンニクを漢字で表記する時には「蒜」「大蒜」という文字が使われますが、これは漢語に由来するものです。
またニンニクという読み方に関しては、仏教用語の「忍辱(にんにく)」がその語源となったとされています。
ニンニクがスタミナ源とされていたのは、なにも日本や中国などの仏教圏に限られたことではなく、古代エジプトでも、ピラミッドを立てるときに従事した奴隷たちにスタミナ源として支給されていたという歴史を持っています。
ニンニクの精力増強効果

ニンニクが精力剤としてパワーを発揮する源は、まず何と言っても「アリシン」という成分です。
アリシンは辛み成分であり、あのニンニクにはつきものの「臭い」の基となるものでもあります。
臭いとは言っても、料理で使われるときには、食欲をそそる良い香りとなるものなのですが、食べた後にはやはりその臭いが気になってしまいますよね。
しかしその臭いこそ、効果の象徴なのですから、臭いと上手く付き合いながら、ニンニクを利用したいものです。
実はこのアリシンは、ニンニクを切ったり、つぶしたりすると、ニンニクに含まれていたアリインという成分が酵素のアリナーゼの攻撃を受けて、にんにく独特の臭気のもとであるアリシンという成分に変化するものです。
このアリシンと手を取り合うように効果を発揮するのが「亜鉛」です。亜鉛は、ホルモンを作りだす基となるミネラル成分で、別名「セックスミネラル」とも呼ばれる精力アップには重要な役割を持ったミネラルです。
さらにニンニクには、スタミナの源となり、疲労回復にも欠かせないビタミンB1やビタミンB6などのビタミンB群をはじめとするビタミン類、ミネラル分、たんぱく質類と、数多くの栄養成分を含んでいます。
このため、ニンニクを摂取することによって、ノルアドレナリンとテストステロンというホルモンが活発に分泌されるようになります。
ノルアドレナリンは神経伝達物質であり興奮作用をもたらすだけでなく、脂肪の分解によるエネルギー産出を助け心臓の機能を高めてくれるホルモンです。
ノルアドレナリンは心拍数を直接増加させるように交感神経系を動かしますから、ドキドキ感を高め性的な興奮を起こしやすい状態を作ります。
テストステロンは、男性ホルモンの代表格ともいえるホルモン。別名「闘争ホルモン」と呼ばれるホルモンで、強いやる気を引き出してくれます。
また、テストステロンには筋肉の分解を抑制する作用があり、男らしい体つきを作るのには欠かせないホルモンなのです。
その主な作用として、男性性器の発育と機能の維持という働きを持っています。
性器の成熟、体毛・恥毛(ちもう)・ひげの発生、変声、夢精(むせい)、性欲の高まり、筋肉・骨格の成長など、思春期に現われる男性らしさ(いわゆる二次性徴と呼ばれる思春期の変化)は、この時期に血中のテストステロンが急激に増えることによって起こるものです。
精力の減退や勃起機能の低下は、このテストステロンの減少によるものであり、その状態が続くことでEDを発症する原因ともなります。
つまり、逆にニンニクを摂取することによってテストステロンの分泌が高まり、精力増強、勃起機能の向上に直結するのです。

ニンニクに期待される、精力面以外も含む効果
ニンニクには、実に幅広く栄養成分が含まれています。
その内容を紹介すると
「炭水化物」「糖分」「食物繊維」「脂肪」「タンパク質」「ビタミンA」「β-カロテン」「「チアミン (ビタミンB1)」「リボフラビン (ビタミンB2)」「ナイアシン (ビタミンB3) 」「パントテン酸 (ビタミンB5)]「ビタミンB6」「葉酸(ビタミンB9)」「ビタミンC」「ミネラル」「カルシウム」「鉄分」「マグネシウム」「マンガン」「セレン」「リン」「カリウム 」「ナトリウム 」「亜鉛」
と、実に多彩であることがお分かりいただけると思います。
そんな栄養成分が豊富なニンニクの効果といえば、すでにご紹介した「アリシン」によるものが代表的です。
アリシンはご紹介した精力剤としてのこうか働きだけでなく、殺菌・抗菌作用が強いことでも知れています。その作用は実に強力であり、12万倍に薄めた液でもコレラ菌やチフス菌、赤痢菌などに対する抗菌力を示すと言われています。
これは、アリシンが細菌の中に入ってたんぱく質を分解し、そのはたらき働きを抑えてしまうためだと考えられているのです。
これらのはたらきがもたらす効用として、「風邪の細菌やインフルエンザのウィルスに作用し、予防できる」「腸内の悪玉細菌の活動を抑え、腸のはたらきを正常化する」ことが良く知れれていますし、 第一次世界大戦では、戦傷兵が壊疽(えそ)になるのを防ぐために外用薬として使われたという事実もあります。
またアリシンはチアミンと結合することによりアリチアミンという物質に変化し、体内でビタミンB1と同じような働きをします。
ビタミンB1は体内への吸収率がとても低いのに比べてアリチアミンは体内への吸収率が高く血液中に長く留まっていられる性質を持っているので、ニンニクを摂取することで、疲れにくく疲労回復の早い身体を作ってくれることとなります。
それ以外にも、ニンニクには、以下のような効果があります。
<血液の循環を良くする>
アリシンを加熱してできる「アホエン」とういう物質には、強い抗血栓作用やコレステロール抑制作用があります。このため、動脈硬化を予防し、血液をサラサラにしてくれる働きがあるのです。
また、血行がよくなるため、肩こりや冷え症、神経痛などにも効果があります。
<胃腸の働きを整える>
大腸を刺激して便秘や下痢などを改善する整腸作用があります。また、胃の粘膜を刺激して胃液の分泌を促す効果も得られます。
<肝臓を守る>
ニンニクには、肝臓の細胞を活性化して肝臓を守り、肝機能を健康な状態に戻す働きがあります。
<血圧を安定させる>
ニンニクを摂取することで、脳神経を刺激し、血圧を安定させる効果が得られます。
また、血管内のコレステロールや脂肪を分解する働きもあり、体内の細胞や血液をリフレッシュしてくれます。
ニンニクの副作用

ニンニクは含有する栄養分も豊富で、様々な効能を持ち、その効き目も強力な殺菌・抗菌作用など、極めて強いものです。
それだけに、そうした効果が働き過ぎることによる副作用も付き物となってきます。
ニンニクを食べ過ぎることが良くないということは、皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ニンニクの食べ過ぎにいって生じるリスクのある副作用の症状は、以下の通りです。
<胃腸障害>
にんにく(特に生にんにく)を食べると、にんにくの殺菌作用が効きすぎて胃腸内の悪玉菌だけでなく善玉菌も殺してしまうため、胃腸障害が起きる可能性があります。
この胃腸障害により、腹痛をはじめ様々な胃腸障害の症状が起こってくるリスクがあるのです。
<胃痛・腹痛>
適量のにんにくは適度に胃の粘膜を刺激し消化を促進させますが、空腹時に生にんにくを食べ過ぎることなどにより胃腸を刺激しすぎることとなり、胃痛や腹痛を起こすことがあります。
これが酷い場合、胃壁を荒らすことがあるので注意が必要です。
<便秘・下痢>
ニンニクを食べ過ぎてしまうと、消化に必要なビフィズス菌などの腸内の善玉菌まで殺してしまうこととなります。
そうなると、消化・吸収がうまくいかなくなり、便秘や下痢といった症状が起きるリスクがあります。
<口角炎・舌炎・皮膚炎>
私達の腸内にはビタミンを生産する働きがあります。これは腸内に存在するビタミン生産菌という細菌の働きによるものです。
ところが、ニンニクを食べ過ぎたり、長期間多くの量を食べてしまったりすると、このビタミン生産菌も殺すこととなってしまいます。
そうなるとビタミン欠乏症が起きることがあり、特にビタミンB2が不足しやすくなりますから、ビタミンB2不足により、口角炎や舌炎、酷い場合は皮膚炎などの症状が現れることがあります。
<貧血>
すでにご紹介したように、ニンニクには血液をサラサラにする効果がありますが、この効果もニンニクを過度に摂取することによって血液サラサラ作用が度を超えて働いてしまうと溶血作用が強くなってしまい、血中のヘモグロビンが減少することになります。
そうなると貧血やめまいといった症状が起きることがあります。
ニンニクを摂取しすぎると(特に生のニンニクを摂取しすぎると)、以上のような副作用を発症するリスクがあるのに加えて、ニンニクにはヒトによってアレルギーを引き起こす要因となることがあります。
アレルゲンはアリシンが変化した「ジアリルジスルフィド」という物質で、主な症状としてはアレルギー性の皮膚炎です。

ニンニクを効果的に摂り入れる方法
ニンニクが精力増強や滋養強壮に効果があるといっても、毎日ニンニクを食事で採り続けるのは大変です。
そもそも、セックスのときに息がニンニク臭かったら女性にひかれてしまいますので、むしろマイナスになってしまう恐れさえあります。
なので精力剤やサプリとして取り入れるのがベストなんですが、選ぶ時のポイントは
ニンニクエキスを濃縮したニンニク単体のサプリもありますが、あなたが精力アップを目的としているのであれば、ニンニクが配合されているのはもちろん、その他の精力増強に効果がある原料が一緒に配合されているタイプのサプリを選ぶことです。
様々な原料や成分を同時に採ることで、それぞれの相乗効果を引き出すことができます。
精力アップを目指すのであれば、この栄養素がオールインワンで含まれている精力サプリをまず飲むことをおすすめします。